哀れな破綻者の歪んだ願い(フロクラ+ユリウス)
赤い髪が目を奪う
異なった色の2つの瞳が自分を捉えることに形容し難い歓喜が襲う
程良い声音が他の音を消し去る
その香りは味覚を狂わせ
その笑顔は、その指先は、その仕草は…
*
「ごめんな、おれ、やくそくやぶっちまった」
大切な片割れにすら渡したくないと願って
「ごめんな、おれがかってにちかって、おまえをまきこんだのに」
狂った思考さえ吹き飛ばして
「おれ、あいつがすきなんだ…」
それは紛れもなく真実で
「ずっといっしょにいれたらなぁ…」
それは恐らく叶わない理想(ユメ)で…
「あれ、おれなにいってんだろ…なんで****はそんなかおしてんだ?」
そこまで気づいていながらも、肝心なところに辿り着けない哀れな片割れ
具現化した元のモノ(記録)すら殆ど無く
面白おかしい伝統と、空想の狭間
自分自身もそうだと嗤いながら片割れに笑いかけた
「(類は類を呼ぶ
君とあいつはとってもお似合いなんだよ
そんなに君があいつといたいならその願いをできるだけ僕は叶える
また【あの時】のように悲しまないですむように
もしあいつが先に消え去ってしまうような事があるなら
僕(ユリウス)は君(クラウス)を殺してあげるよ)」
嗚呼、結局は自分も同じ穴の狢
『Ich will nicht unglücklich Gesicht sehen wieder.』