【運命企画ifその1】飛び立てなかったカラス
黒
黒
黒
何も見えない
俺に力を貸してくれた彼等は既に息絶えていた
彼等を殺した時のあの笑みを見せられた時、悪寒を感じると同時に【その結末】を受け入れた
ーーー俺には聖杯を得ることはできないーーー
それは存在意義と共に希望全てを捨てるということ
あいつの顔を、彼等を通して見たあいつの顔を脳に浮かべて肩に手をやった
あいつには何の許可も取っていないが、これくらいの自己満足を許してもらいたい
「ーーー令呪をもって命ずる。
キャスター、受肉せよ。
重ねて令呪をもって命ずる。
この聖杯戦争、なんとしてでも生き延びろ。
更に重ねて命ずる、俺の魔力全てを受け取れ
…ごめんな。」
その途端に、ものすごい脱力感を感じて身体が倒れる
きちんと令呪通りに魔力が渡ったのだろう
体が冷えていくのを感じる
嗚呼、これが死というものなのだろう
恐怖も、何もない
元々視界が無いからなのだろうか、
そんな事を虚ろになってきた意識に浮かべた
今、只々思うことは
「…も、一度…空、見てみたかったな」
そんな小さな願い事