破綻者がいうところの偽善者なあの子
ダメなことなのはわかっていた
勿論、すでに壊れていることも
この罪は、この思想は
これは世間論でいうところの道を外した者であろう僕の・・・・・・
*
「ね、ね、***。この後駄菓子屋いこ」
「…金ねえし、いかねえ」
「えー……じゃあいつもの公園いこうよっ!」
「……しょうがねぇな」
そう言い、ため息を吐いた彼の顔を僕はいつ忘れたんだろう
[あの時、確かに僕らはトモダチだった]
あいつの表情があんなに歪んだのは、あの雨の日しか見てないな
*
(*して欲しい、なんて言いたくなったのは思ってしまったのはいつからだっけ?)
こどものように甘味を珍味する女の子を一瞥しながらそうひとりごちる
(あいつの妹なんて関わらない方が吉だとわかっているのに)
そう思いながらこの店オススメのタルトを一口
うん、甘さも僕好みだ、美味しい
そう微笑って真っ黒珈琲飲み込んだ
*
『貴方は、僕たち相手にも自分のことを話しませんよね』
そう悲しそうに呟く子に苦笑い
-そんなつもりはないんだけどね
『素肌さえ表そうとしないのに?』
-……傷だらけの醜い体なんて見ない方がいいよ
[宝石と石ころ]
*
ヌチャッかな、グチャッかな、とにかくそんな音だったかもしれない、
少なくともあまり聞かない音を出して
取り出した
「喜んでくれるかな」
嫌われたくは無いのだけれど、引かれないですむのかな
どうせほとんど見えなくて不便だったから眼帯をしていたわけだし
嗚呼、でも無いだけでこんな違和感があるのか
そうだ、赤いのを作ってもらおう
思い浮かべる綺麗な紅色
お揃い、なんて女々しく思われちゃうかな?