ファーストコンタクト
争いの、闘いのにおいがする
魔物の、ケモノの気配がする
「あーもう、近くに沢山来てるっぽいや
此処あたりで食い止めとかないと……ありゃ?」
丘から見下げた所に
ケモノをころしているこれまた綺麗なケモノがいた
「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎ーーー!!!」
風を切り、敵を裂き、声なき声で叫ぶケモノ
背に弓を背負っているとは思えないほど軽々と短剣二つを操り、敵の急所を的確に斬りつけるあのケモノは中々の手合いのようだ
「けど、あれじゃあ…」
近くにヒーラーを置かないであの大群を一匹で相手にするのは流石に限度がある
攻撃をされる前に攻撃をするとしても、弓を使う相手による傷がつけられる
「邪魔するのは趣味じゃあないんだけど……」
生憎、あんな楽しそうに暴れているのを邪魔するような趣味は持ち合わせてはいない
「んー…でも、死なれちゃ面白くないからちょっとごめんねケモノ君」
相棒である大剣に手を掛け、丘を駆け下りて遠くからあのケモノに攻撃をしている奴等に振りかざす
「…っ!?…!??」
驚いた顔をするケモノ
だがそんなことはもうどうでもいい
ケモノは彼だけじゃあない
「ねえ、混ぜてくれないかな?こちとら暇でさ」