Calme
お前は騎士らしく、紳士らしくありなさい
そして……
護るべきものを見つけなさい
「はい、父上
ですが……護るべきものとは、何処で探せば良いのでしょうか」
そうだな……
*
prrrrr…
「もしもし?はい、月野ですが…
あら、お久しぶりね。
へぇ…ふむふむ
ちょっと待ってね
玲央〜!」
*
父上が‘‘その件’’について話してから半年程経っただろうか
今、私は白軍の門の前に立っている
髪色のせいか周りの目が少し気になる、が
「ネージュ、気にしないで進んで」
これから私は3年間ここで世話になるのだ
これくらいの事を気にしてはいけない
*
はしる 走る 奔る
風が鳴く 啼く
「怯むな!敵に背を向けるな!」
中心にある白い姿
「Il ya brillance pour nous!
(光、我らにあり!)
勝利を手に入れろ!進め!」
槍を手に持ち、馬に乗り、そう叫ぶ姿は
一体何人の目を奪っただろうか
*
カチカチ…カチ
『リン=カルム』
白軍専用の掲示板にそう打ち込み、Enterキーを押す
『
<今回リンちゃんの出陣見れた!
<えっまじ!?
<リン=カルムさん……あの人すっごく凛々しいのよねー惚れるわー
<他にいないくらい紳士だよなw
<男子頑張りなよwwww
<絶対無理
<おまw
』
あぁ、やはりあの方らしい
まだ1年目だというのに、名前で調べるだけでも出てくるのか
「……俺も同じ場所に立てるのだろうか」
いや、立たねば
あの方に傷を付けようなどとする野蛮者を消さないといけない
「待っていて下さい
…姉上」