破綻者の枷
『ゆーくんあそぼっ!』
『ねえねえあそぼーよ!』
『ねえってばー』
少しの間そう言い寄られていた少年の目は昏い
少女に手を取られると同時に目を見開き、硬直した少年はそのままちかくにあった*をーーー
食べるものがなくて
誰も見もしなくて
哀れで
醜くて
壊れている
『ーーごめんね、その気持ちは受け取れないよ』
裏切られて
『あ…これ、はちがっ……!』
裏切られて
信じる者もいなくなり
周りにはただの駒たちに
恩人なんていなかった
親友なんていなかった
[パチッ]
そんな自分のための枷
暴走しないためのストッパーでもある小さな枷
このとても小さな、一瞬だけの痛みに**を
わがままを言うとすれば、そろそろ消えたい
そんな思考は今更どうこうできるものではないのだ
……嗚呼、少し腹が減った
まぁそんなことはどうでもいいか
夜の街
夜のビル
その屋上で黒の衣服に身をまとわせた彼はそうひとりごち、目を閉じた